片想いの行方
第12章 違和感
「あ、それか時間あるなら、ちょっと付き合ってくれない?
買いに行きたい服があるの。
姫宮くんに選んでほしいんだ」
「……俺、忙しいから」
優香さんの笑顔とは対照的に、ヒメの表情は硬いままだ。
あたしはハラハラしながら2人の顔を交互に見る。
「今日終業式で明日から夏休みでしょ?
高校生が忙しいわけないじゃない」
「大学の方が休み多いしヒマだろ」
「うん、だから付き合ってよ。
夜ご飯奢ってあげる」
「……腹いっぱいだからいらない」
「じゃあ、うちに来てデザートだけ一緒に食べようよ。
甘いの好きだもんね?」
「…………」
なんか……
変じゃない……?
モヤモヤした気持ちが溢れ出す。
ヒメがこんなに断ってるのに……優香さんは全く怯むことなくヒメに話しかける。