片想いの行方
第13章 好きでいてもいいですか?
受付を済ませて、更衣室に入る。
あたしは水着に着替えて、水泳キャップとゴーグルを手に取った。
入口のシャワーを通り抜けて、予定時刻の10分前に、室内プールへと足を踏み入れた。
う……
目の前にすると……
やっぱりちょっと怖いなぁ…
小学生に上がる前に、家族で行った海で溺れて以来
あたしは泳ぐことが出来なくなった。
ドクドクする胸を押さえて深い水面の前で止まると
「香月」
後ろから、蓮くんの声がした。
「蓮く…… ……!!」
振り返ったすぐ後ろに、蓮くんが微笑んでいた。