片想いの行方
第13章 好きでいてもいいですか?
みんなで準備運動をした後
まずはあたしがどれだけ泳げるかを見るために、プールの中へと入るように言われた。
…久しぶりの水の中。
少し足が震えだした。
学校の体育の授業は、夏の間はプールと他の科目が選べるようになっている。
蓮くんの姿を見れないのは残念だけど、カナヅチのあたしは迷わずプールを避けた。
だから、こうやって入るのは本当に久しぶりだった。
それにしても……
こんなに怖かったっけ……?
「いいよ、香月。
そのまま上がってこっちに来て」
プールの中に入ったまま、1mも動けないあたしを見て、蓮くんがプールサイドから声をかけてきた。
自分でも驚くくらい、私の体は動かない。
蓮くん……呆れたよね…
あたしは小さくため息をついた。