片想いの行方
第13章 好きでいてもいいですか?
水泳教室は、新藤先生と蓮くんの二手に分かれて行われる。
新藤先生の方に、少し泳げる子達が集まって
蓮くんが、全く泳げない子の担当。
といっても、既にプールに入った人数を見ると、大半は新藤先生の方のようだった。
あたしは蓮くんと一緒にもうひとつ別にある、さらに小さなプールの方に移動した。
そこには、両腕にアームリングの浮き輪を付けた、小さな女の子が1人でぽつんと待っていた。
「陽菜。今日は2人だよ」
蓮くんは女の子に話しかけた後、あたしの方に振り返る。
「俺ビート板持ってくるから、ちょっと待ってて」
「う、うん…」
蓮くんが離れたあと、あたしはプールサイドに座っていた、その女の子の隣りにしゃがんだ。