片想いの行方
第1章 2人の蓮
「こらっ! そこの2人!
図書室で何をしてるの!!」
事務員のおばさんに叫ばれて、あたしはハッと我にかえる。
「周りの迷惑になるから、静かにできないなら今すぐ出て行きなさい」
かぁぁぁ///
は、恥ずかしい……
みるみる顔が赤くなるあたしから、彼は静かに体を離した。
そして、もう一度あたしをじっと見た後、何も言わずに立ち去っていった。
な、なんだったのよもう……
全身から一気に力が抜けて、あたしはその場にへなへなと座り込んだ。
姫宮蓮……
鈴木蓮くんとは大違い。
一体何者なの………
彼に支えられた体が火照るように熱くて
あたしはしばらくその場から動けなかった……