片想いの行方
第1章 2人の蓮
「…………っ」
彼の重みでよろけそうになったあたしを、彼が咄嗟に出した腕で支える。
すぐ、目の前に彼の顔があった。
「…………!!」
ち、ち、近いーーー!
てゆーか、ま、まつ毛長っ…!
キラキラ光るフワッとした前髪が、あたしのおでこに触れる。
心臓がバクバクして、体が固まって動けない。
「…………」
姫宮蓮は、何も言わずにあたしを支える手に力を入れた。
そして、さらに抱き寄せられる。
えっ…
ちょっと…
ま、待って待って…
てゆーか、あたしを見つめるその目……
吸い込まれそう……