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片想いの行方

第13章 好きでいてもいいですか?

それから…

歩いたり、息継ぎの呼吸法を練習したり

けのびまで終わったところで、いよいよビート坂を使って泳ぐところまで来た。


陽菜ちゃんは、すっかりやる気になっていて、ビート板を持ちながらバシャバシャと足を動かしている。

さすが、飲み込みが早いなぁ。




蓮くんは、ビート坂をあたしに渡した。


「俺が端を持って先に引っ張るから、体の力を抜いて足を動かしてみて」



「うん……」



「大丈夫だ。

初めは絶対に離したりしないから。

体を水面に乗せるようなイメージで、怖いと思ったらすぐに立っていいよ」





蓮くんの言うとおり、あたしは10mの短い間に何度も立ち止まった。


それでも蓮くんは、ゆっくりと進んでくれるから



あたしはなんとか体を前に進めようと、無我夢中で同じ動作を繰り返した。

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