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片想いの行方

第14章 夏祭り




「…………!?」


優香さんはコクリと頷いた。




え…?

何…?


どういうこと……?






「…じゃあ、行くから」



「…あぁ」




蓮くんは、優香さんを左手で抱えるようにして、あたしの横を通り過ぎた。







「………ヒメ……?」




夜風が吹き抜ける中、あたしが恐る恐るヒメを見ると。







ヒメはあの時と同じ切ない表情で、あたしの目をじっと見返した。






茶色い前髪がふわっと風に揺れていた。

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