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片想いの行方

第14章 夏祭り




「…………?」


なんか……変……



あたしが今まで見てきた優香さんは、ニコニコとヒメに笑いかけて、すごくよく話していたのに。



あの日だって、強引にヒメを連れ出した。




それなのに、今の優香さんは表情を強張らせて、蓮くんの腕にしがみつくようにじっとしている。







「……ヒメ……」



あたしは隣りを見て呟くと、ヒメも無言で優香さんを見ていた。




その視線に気付いた蓮くんが、優香さんの方に振り返って



小さな声で言った。










「…怖がらなくていいよ、優香。

大丈夫だから」

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