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片想いの行方

第1章 2人の蓮




(もー! 遅れちゃう……!)




あたしは職員室を出ると、一目散に廊下を走り出した。



長い髪がまとわりついて鬱陶しい。

だけど、そんなの気にしてなんていられない。



階段を目前にして、更にスピードを上げる。


ここを越えたら図書室の入口だ。





「あはは、美和ってば。 必死だね~」


階段を駆け上がる途中、すれ違ったクラスメイトが笑う。


「蓮くん、もう泳ぎ始めてると思うよ~。 急げ~!」





その言葉を聞いて……焦る!





お願い! 間に合って…!!

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