片想いの行方
第2章 通称 ヒメ
今日の朝、ドキドキしながら教室に入ると…
姫宮蓮は、本当にあたしの後ろの席に座っていた。
机の上に突っ伏して寝ていた彼の横を、ソロ~っと通り抜けて
あたしは自分の席に着く。
授業が始まると、妙な緊張感が走った。
いつもなら窓際の1番前に座っている鈴木くんの背中を、ウットリと眺めているんだけど。
今日は自分の背中の方が気になって仕方なかった。
「始業式で、2年のクラス表が張り出された時のこと覚えてないの?
蓮くんとヒメが同じA組になったから、けっこー騒がれてたじゃん。
あ、卵焼きうまそー。 1個もーらい」
「…全然気付かなかった……」
あたしの名前と、鈴木くんの名前が同じ列にいたことに、1人大興奮だったから…
アンナがあたしのお弁当から卵焼きを持ち出したけど、
そんな事もスルーしちゃうくらい、あたしは放心していた。