片想いの行方
第15章 花火
「ここ、花火の間は立入禁止だから」
「えっ!?そうなの!?」
そういえば、いくつかロープを潜り抜けたりしたような…
あたしは驚いて周りを見る。
確かに人は少ないけど…暗がりの中でも、何人かはいるみたいだけど…
「でも、警備の人とかいなかったよね?」
「いない道から来たんだよ。
今ここにいる奴らは、この近くに住んでるから分かってるんだ」
そうなんだ…
全然気付かなかった…
確かに、公園の先にこんなとこがあるなんて、普通は気付かないよ。
それに、さっきの出来事が衝撃的すぎて、他の事が一切考えられなかったから…
ヒメは、斜面を少し降りて、芝生のような座りやすいところに腰をおろした。
あたしもその横に並んで座った。
花火まではまだ少し時間がある。
あたしは勇気を出して口を開いた。