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片想いの行方

第15章 花火





「………美和…?」


ヒメがあたしを見る。



「…あたし…

ヒメにも幸せになってほしいの。

ヒメが1番好きな人と…付き合えるように…」



彼女を見るその冷たい目線が


拒絶するような態度が



本心を抑えているのだとしたら…



どんなに辛いことだろう。







「…蓮くんがあたしを好きになってくれるように

あたし頑張るから…

そしたら、ちゃんと褒めてね?」



「…………」




ヒメは何も言わずにふっと笑った。




あたしはその目を見つめ返す。




…この人の瞳は、どうしてこんなに綺麗なんだろう…

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