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片想いの行方

第15章 花火



その時、ドォンという大きな音がこだました。



あたしとヒメは、同時に空を見上げる。



川原から大きな歓声が上がった。




夜空にいくつもの光が、上がっては消えていく。




あたしは花火を見つめながら、自分の心に耳を澄ませる。



あたしは……蓮くんが好き。



嘘じゃない。




その気持ちが、偶然ヒメの目的と重なったんだ。



同じ片思いをしているあたし達は……共に同じ道を行く共同体のようなものだ。







なのに…







どうして涙が出るんだろう……

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