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片想いの行方

第16章 治らない傷

「……の女…… 


 邪魔だな…。 


 消えてもらわなきゃ…」











「…え?」



ふいに、隣りから声がして、俺は優香を見た。



「ごめん優香。

花火の音でよく聞こえなかった。


邪魔って……何が?」



本当は考えてたからだけど、俺は花火のせいにして優香に聞いた。



「ううん、なんでもない」


優香はにっこりと笑った。


「今、少し先に立ち上がった人がいて、花火が良く見えなかったんだ。

もう、座ったみたいだから大丈夫」



「…?そっか」

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