片想いの行方
第17章 深まる謎
▽Side... 美和
「…よし、着いた」
バス停に降りて、市民プールの入口で足を止める。
開始時間の1時間も前に着いてしまった。
お盆明けの、3回めの水泳教室。
いてもたってもいられずに、予定よりも早く家を出てきてしまった。
「はぁ…… ドキドキする……」
夏祭りから1週間も経っているのに、私の心臓は壊れたかのように、大きく鼓動を続けている。
蓮くんと優香さんの手を繋ぐ姿を見たのもある。
ヒメの片思いの相手がハッキリしたこともそう。
だけど……
何よりもあたしの心臓を鳴らせてるのは、花火の下で求められたあの時間だった。