片想いの行方
第2章 通称 ヒメ
キーンコーンカーン…
「やばっ。もうお昼終わりだ。
戻るよ美和」
「うん」
午後イチから数学だ。
あの先生は怖いから、遅れたらマズイ。
あたしとアンナは急いで立ち上がって教室に向かった。
教室の扉をあけると…
「あれっ?」
教壇に先生がいない。
「おかえり~二人とも。
今日数学自習だってさ~」
一番後ろの席に座っていた子が、私とアンナの姿をみつけて教えてくれた。
みんなは前後の子とお喋りしてたり、音楽聞いてたり、寝てる子もいる。
「なんだ、急いで戻ってきて損した。
ラッキー。
私寝るわ」
アンナはあくびをしながら自分の席に戻っていった。