片想いの行方
第19章 一緒にしないで
「……………」
優香さんがコーヒーを飲む姿を、あたしは呆然として眺める。
彼女は、一通り話し終わると、また穏やかな表情に戻った。
だけどあたしはもう、優香さんのどんな顔を見ても、気分が悪くて仕方なかった。
「……人の気持ちを何だと思ってるんですか…?」
ワナワナと怒りで震える心を抑えきれない。
「蓮くんと、ヒメが……この事を知ったら……
だいたい、そんな酷い事、この先も隠し通せるわけない…」
「そうかしら?
隠すも何も、2人が知る術は無いんだから」
優香さんはにっこりと笑う。
初めて会った時に素敵だと思ったその笑顔は、今のあたしには不快としか言いようがなかった。
「……あたしが……事実を知りました…」
「うん、だから何?」
「………!?」