片想いの行方
第22章 ゆらめき
ドキドキしながらプールの側まで近寄ると
潜っていた蓮くんがすぐ目の前で顔を出した。
「香月も入りなよ。
スクールの小さいプールより深いけど、ちゃんと足着くぜ?」
「………う、うん。入りたいんだけど……」
そう、あたしは気付いた。
「…水着持ってきてない………」
蓮くんがぷかぷか浮いて気持ち良さそうだから、本当は入りたいんだけどな……。
すると、蓮くんはプールサイドに肘を付いて、あたしを見上げた。
「そのまま入れば?」
「……えっ!?
そ、そのままって……服着たまま?」
「俺だって下はそのままだし。
これだけ暑いんだから、帰り駅に着くまでに乾くよ」
蓮くん……
そ……そういう問題じゃ……… ないよ?