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片想いの行方

第22章 ゆらめき

「じゃあ、本当にもう帰れよ!

勝った事に免じて、特別に何も見なかった事にしてやる」


「ありがとうございます」




蓮くんが笑顔で言うと




先生の足音はだんだんと遠ざかっていった。








………………………






「あぶねー。 さすがに俺も焦った」




蓮くんは入口から完全に先生の姿が見えなくなるのを確認してから、ふぅっと息をはいた。



「顧問で良かった。

香月、急に引っ張ってごめん。 大丈夫?」







蓮くんがあたしの顔を覗き込む。












……蓮くん………







あたし…… 全然大丈夫じゃない………

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