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片想いの行方

第22章 ゆらめき

足音が聞こえた瞬間




蓮くんはあたしをプールの中に連れ出して、左腕で抱えた。






そのまま飛び込み台の下まで行き、入口からは見えないようにあたしを隠して。



自分だけ顔を先生の方に向けた。





あたしの身長では、つま先が辛うじて付くくらいだから、溺れないように、片手でがっしりと体を支えてくれている。





あたしは蓮くんの胸にピッタリと顔を寄せて、ただひたすらじっとしているしかなかった。






心臓が………




これでもかってくらい、激しく鼓動を続けている。





その音は……



向かい合って密着してるから、きっと蓮くんにも聞こえてる……

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