片想いの行方
第22章 ゆらめき
「………………」
蓮くんのキレイな顔がすぐ近くにあって
あたしの目が、蓮くんの鋭い目に映っている。
鍛えられた腕が、あたしの背中に触れている。
………なんか変だ……
ドキドキして、何も考えられない。
だけど……なぜか体が勝手に動く………
あたしは、両手で蓮くんの頬に触れた。
「……香月……?」
静けさと
水の揺らめきと
妖艶な月灯り。
…変なのは、きっとそのせいだ。
「…………っ………」
あたしは何かに取り憑かれたかのように
蓮くんに顔を近付けて
そっと自分の唇を重ねた。