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片想いの行方

第22章 ゆらめき



「香月……ごめん」



蓮くんが心配そうな顔であたしを見る。



「怖かったよな。

まだ慣れてねーのに、急に入れたりして悪かった」




………違うよ、蓮くん……



あたし、全然怖くない。



だけど……



胸がドキドキして、破裂するように痛い。





「……蓮くん……」





蓮くんの後ろに、大きな月が見える。




先生が照明を消したから、さっきとは違う柔らかい灯りが水面を照らしていた。




ゆらゆらと、プールに月の影が映る。

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