片想いの行方
第25章 動き始めた感情
「……だけど………あいつは………」
自習の時間に見た、ヒメの隠さない本当の笑顔と
図書室の2人の姿が浮かび上がる。
ヒメ……
一体何考えてるんだよ……
「……美和ちゃんのこと?」
「………!?」
優香の言葉に、俺は愕然として彼女を見る。
なんで香月の事を……
「街で一緒に歩いているところを何回か見たわよ。
一緒に買い物したり、カフェでお茶したり。
美和ちゃん、すごく楽しそうだったわ」
優香が続ける。
「……可哀そうよね、美和ちゃん。
美和ちゃんはデートしてるつもりだったみたいだけど、ヒメは私を見つけたら
動揺する美和ちゃんを置いて、私の方に駆け寄って来たわ。
私は嫌だったんだけど、ヒメがどうしてもって言うから…」