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片想いの行方

第25章 動き始めた感情

「……………」


体の奥から、ふつふつと何かが湧きあがってくる。


こんな感情を今まで感じた事がない。






……それに……



俺は優香の顔を見る。






「……優香……


……なんで笑ってるの………?」






「…え?」





優香は口元を押さえる。




「な、なに言ってるのよ。

私笑ってなんかいないわ」



「…………」




俺は無言のまま立ち上がった。




「! 蓮、どこ行くの?」


「………悪い。 今日は帰る」





俺は一言だけ言うと、優香を置いたまま部屋を出た。




あのまま、優香の部屋にいたら、言ってはいけない何かを発してしまいそうだった。

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