片想いの行方
第25章 動き始めた感情
家までの道を歩きながら、ドクドクと不穏な音が鳴り続ける。
……なんだろう………
すげー気分が悪い……
いまだに優香を誘っていたヒメへの嫌悪感と
水泳に懸けてる俺を理解してくれない優香への悲壮感
あの不可解な優香の笑み……
無償に腹が立つような、イライラした感情が全身を廻る。
そして………
何よりも俺の心を締めつけているのは……紛れもなく香月の事だった。
……香月……
なんでヒメが好きなんだよ………
あいつは優香の事をまだ引きずってるんだ。
なのに………
なんでそんな報われない恋をするんだよ…………