片想いの行方
第26章 交差する想い
▽Side... 美和
月曜日。
「あれ? 美和、いつもみたいに図書室行かないの?」
1日の授業が全て終わると、アンナが話かけてきた。
「うん、蓮くんもうすぐ試合だから、さすがにちょっと…。
見てたら気が散るかなぁって思って」
「へ~、あんたでもちゃんと気を使えるのね。
あ、じゃあお茶してから帰ろーよ…………って
やばっ」
アンナは思い出したように、手で頭を叩いた。
「そーいや委員会の件で放課後呼ばれてたんだわ」
「そうなんだ。 どのくらいかかる?」
「多分30分くらいで終わるんだけど…」
「いいよ、待ってる」
ダッシュで戻るから!と言って、アンナはプリントを持って教室を出て行く。
そして………
「………あ……」
アンナの後を、続いて出て行くヒメの姿が目に入った。