片想いの行方
第26章 交差する想い
「………?」
ヒメは下駄箱とは逆の方向に廊下を曲がって行った。
…どこに行くんだろう。
いつもは色んな子に囲まれて、まっすぐ帰っていくのに。
なんとなく気になる。
あたしは立ち上がって、そっとヒメの後を追うことにした。
隣りのクラスを曲がった所で、その後ろ姿に追いつく。
職員室を過ぎて、階段を上がって、また曲がって……
途中ですれ違う女の子達が、キャーキャー言いながらヒメを見て振り返る。
ヒメはスタスタと歩き続けて、最後の階段で姿を消した。
「………屋上……?」
私は駆け足で階段を登っていく。
そおっと屋上のドアを開けると。
「なに尾行してんだよ、ストーカー」