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片想いの行方

第28章 目を覚ませ

屋上を出る時に、後ろから香月が走ってきたのを思い出す。



……ヒメが遮った何かを、必死に伝えようとしてくれていたのに。



横目で見えた悲しい表情が、頭の中から離れない。



……香月……



なんでヒメと一緒にいたんだよ……



そんなにあいつの事が好きなのか………




「…………………」





足を止めてその場に立ち尽くす。



……………




なんで俺、心臓がズキズキしてんだよ……














その時だった。






ガシャン!!







「………!」





いきなり自転車の後輪が、何かに追突された。







驚いて振り返ると








「邪魔。 突っ立ってんじゃねーよ」

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