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片想いの行方

第28章 目を覚ませ



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河原の水にタオルを冷やして、ヒメに殴られた頬にあてる。




「大袈裟だなー。

男のくせに顔なんて気にしてんじゃねーよ」




自転車は土手の上に転がしたまま



殴った張本人が、俺のすぐ後ろで、石の上に寝転びながら声をかけてきた。




……てめーが冷やせって言ったんじゃねーか……





俺は無言のままヒメに背を向ける形で、川のすぐ側に座る。



9月中旬を過ぎた今では、暑さも大分和らいでいて


俺達の間を、風が通り過ぎていく。











「……………俺だって


変だとはどこかで思ってたよ」





しばらくして、自分から口を開いた。






「あの日優香の部屋で、お前に見られた事に動揺して。


……正直今振り返っても、ちゃんと考えてなかったと思う。



だけど、目の前で震える優香を見て。



……優香の言う通り、お前が無理矢理してたのなら。




どうしてもお前が許せないと思った」


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