片想いの行方
第28章 目を覚ませ
「悲しいねー」
ヒメは仰向けになったまま、空に向かって言った。
「親友の言う事よりも、親友の彼女の言葉を信じたなんて。
あの時のお前は、完全に俺を無視しやがったから、弁解の余地もなかったしな」
「……………」
…確かに、理由があるにせよ、ヒメから優香を奪ったのには変わりがないから。
合わす顔がなくて、ヒメが何回も俺に話し掛けてきたのを、ひたすら聞こえないふりをしていた。
今となっては言い訳にしかならないけど。
あの時の俺は、会う度に震えながら泣き続ける優香のことでいっぱいだった。
「……だけど……なんで優香は……」
「だいたいさー」
ヒメが続ける。
「相手が嫌がってんのを知りながら、無理矢理抱くかっつーの。
そんなのこっちが萎えるわ。
そこまで飢えてねーよ。
俺を誰だと思ってんだ」
「……………」
俺がヒメの方に振り返ると
ヒメも体を起こした。