片想いの行方
第29章 逢いたかった
▽Side... 美和
「あら、もう下がってるわよ。
昨日の高熱は何だったのかしらね」
体温計を見た母親が、あたしのおでこに手を当てた。
「食欲は?
これから夕飯だけど食べれる?」
「う~ん…お腹空いてない…」
「じゃあ、食べたくなったら下に降りて来なさい。
あっ!いけないドラマ始まっちゃうわ!」
母親は時計の針が夜の8時になるのを見て、急いであたしの部屋から出ていった。
「……ふう……」
ベッドからゆっくり体を起こす。
昨日は体全体が熱くて苦しかったけど
今日は少しだるいだけで、大分楽になったなぁ。
あたしはアンナが持ってきてくれたプリントを見ながら、ため息をついた。