テキストサイズ

片想いの行方

第4章 特別補習



「香月。

俺は仕事があるからもう行くぞ。

このプリントが終わったら職員室に持って来い」


「はぁい…」




担任の先生は、びっしり書かれた問題のプリントを私の机の上に置いて、そのまま教室を出ていった。




土曜日。


あたしは1人、マジメに2時間の補習に出て、睡魔と戦いながら何とか耐えきった。


なのに、最後の最後でこのプリント…。



夏の太陽が眩しく光っていて、窓から見える木々の葉を風が揺らす。


はぁ……。


こんな日にこんなところで勉強してるあたしって…。


「しかもこの問題の量何なの~?
補習の授業ちゃんと出たんだからもういいじゃん。
鬼ーー…」


あたしは空しく独り言を言いながら、プリントの問題と睨めっこしていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ