片想いの行方
第30章 1番好きな人
「……分かってるよ……」
ヒメの言う通りなんだと思う。
だけど、あたしはなんだかやりきれない気持ちだった。
あたしと蓮くんの為に動いていたヒメは、誰が1番好きなんだろう……
もしかしたら、優香さんの正体に気付きながらも、本当はやっぱり好きなのかな……
それは、ヒメ自身にしか分からないことだ………
「……だけど」
ふいに、ヒメが口を開いた。
「恋をして、1番好きな人と一緒になれずに泣いた奴にも。
……いつかは…
また他の誰かが現れて、救ってくれたりするんじゃねーの」
「…………!」
「…本当にそんな人が来てくれるのか
……知らねーけど………」