片想いの行方
第31章 片方のピアス
▼Side... ヒメ
日曜日。
「あれっ、あんたどっか行くの」
玄関で靴ひもを結んでいると、後ろから姉貴が声をかけてきた。
「関係ないだろ」
「何よも~!
ほんっと可愛くないわ~」
俺が振り返らずに言うと、ため息をついて近付いてくる。
「私二日酔いで頭痛いのよね。
すぐに帰ってくるなら、コンビニでポカリ買ってきてくれない?」
「姉貴」
姉貴の依頼を無視して、ドアを開けながら言った。
「あとで電話するから、出掛ける準備しといて」
「…はぁ?」
意味わからん!という声を背中に受けながら、俺は家を出た。
ちょうど午後1時になろうとしている今、太陽が空高くあがっている。
3連休中日の今日は、行楽日和に相応しい晴天だった。