片想いの行方
第31章 片方のピアス
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住宅街の坂道を抜け、階段を上がった先に
夏祭りの時に美和と来た、公園の入り口に着いた。
俺の後を、びくびくしながら付いてきた美和を思い出す。
……なんだか、すげー昔の事のように感じるな……
俺はゆっくりと斜面に向かって足を進めた。
そして
眼下に広がる川原を見つめて、1人で座り込んでいた彼女の姿を見つける。
俺と同じ色の髪が、太陽に照らされてキラキラと光り、風に揺れていた。
「…………………」
俺は無言のまま近付いて
優香の隣りに座った。