片想いの行方
第4章 特別補習
鈴木くんは、私の机の前で止まった。
「…数学?」
「は、はい……」
やっと声が出た。
「今まで補習をしてまして、この残りのプリントをやって終わりなんです…」
うぅ…
恥ずかしすぎる…
初めての会話が、こんな惨めな話になるなんて…
それにしても、どうしてここに鈴木くんが…
「あ、あの…、鈴木くんはなぜここに…」
「あぁ、俺は部活。
普段は教室には来ないんだけど、昨日忘れ物してて取りにきた」
ビ…ビバ忘れ物!!
そして万歳 数学の補習!!
あたしは心の中で小さくガッツポーズをした。