片想いの行方
第4章 特別補習
あたし、今、鈴木くんと2人で喋ってる…♡
信じられない。
そ、それに…
さっき“香月”って呼ばれた!
あたしの事知ってたんだ…
嬉しすぎるよーーー!
「…つーか、全然進んでなくね?」
「へっ? あ……」
浮かれるあたしの心を圧し折るように、鈴木くんはプリントを見て冷静に呟いた。
仰るとおり、回答欄は真っ白だ。
「…あたし数学苦手で……。
この問題もさっぱり解らなくて…」
「でも、これ解かないと帰れないんだろ?」
「はい…。そうなんです…」
悲しい…。
うなだれていると、鈴木くんは前の席のイスを引いて
私の机を挟む形で、目の前に座った。