片想いの行方
第35章 いつかのお返し
12月23日。
新藤さんの大学の研究室で開催された、クリスマスパーティー。
スイミングスクールの小学生のみんなが10人と、新藤さんを始めとした大学生の先生達。
遅れて来た蓮くんとあたし以外は、既にご馳走を囲んでワイワイと楽しんでいた。
「2人ともどの辺まで行ってたの?
もう決まったんだし、来年から毎日通うんだから下見なんて必要ないだろ」
蓮くんとあたしにジュースを渡してくれたあと、新藤さんが言った。
主催者の新藤さんは、全身サンタクロースの格好をしている。
爽やかな笑顔がいつも以上に素敵♡
「美和がプールを見たいって言ったから、北館の方まで行ったんです。
開いてないから外から見ただけだけど。 な?」
「うん!
新藤さんと蓮くんの泳ぐプールを、一度見たくて。
高校のプールとは比べ物にならないくらい大きいんですね」
あたしが興奮して言うと、新藤さんはさらにニコニコ顏になった。
「なんだ、てっきり中庭のイルミネーションを見に行ったのかと思ってた」
「イルミネーション?」
蓮くんが聞くと、新藤さんは頷いた。
「噴水の横に、クリスマスツリーがあるんだよ。
プレゼント交換までまだ時間があるから、2人で行ってきたら?」