テキストサイズ

片想いの行方

第35章 いつかのお返し




「………え……?」





白い息が舞う。




蓮くんは、穏やかな表情であたしを見ている。




………今…



何て言ったの………?








「……気付いてたんだ。




美和が俺の前で、あいつの話を一切しなくなったり



関わらないようにあいつを避けたりしてたこと




本当は、分かってた。





無理させてるって分かってたけど




気付かないふりをしていた。




………どうしても、美和と一緒にいたかったんだ」






「…………っ」





ドクっと心臓が鳴る。



あたしは蓮くんの手を強く握り返した。




「……待って。


蓮くん、何を言ってるの……?


あたしは……無理なんかしてないよ。


あたしだって、蓮くんと一緒に……ずっと一緒に居たいよ」




話しながら、心がどんどん痛くなってくる。





……やだよ、蓮くん。





どうしてそんな事言うの……?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ