片想いの行方
第4章 特別補習
さっきまで目の前にいたはずの蓮くんがいない。
集中しすぎて、いつの間にかいなくなっていたことに気付かなかった。
「ま、まさか…もう帰っちゃった!?」
「帰ってねーよ」
その声と一緒に、ヒヤっと冷たいものが頬にあたる。
「お疲れ。頑張ったじゃん。
はい、御褒美」
「…蓮くん……」
胸がキュンとして困る。
「ありがとう……」
あたしは蓮くんが自販機で買ってきてくれた缶ジュースを受け取った。
蓮くんも自分の分を飲みながら、また私の前に座った。
嬉しいなぁ…
幸せすぎるよ。