片想いの行方
第38章 最後に、もう一度
去年の12月。
蓮に呼ばれて行った大学で、美和に告白したあとも
卒業式を迎えた今日まで、俺と美和は今までと変わらない3ヶ月を過ごしてきた。
あの日、俺の想いを知った美和はかなり動揺していて
嬉しがってるというよりは、ただ驚いてどうしたらいいか分からないといった様子で……。
………傍にいる。
そう言った俺でも、蓮に別れを告げられたばかりの美和に、それ以上は言えなかった。
だから、美和の気持ちが決まるまで
美和がまた笑いかけてくれるまで
俺はその時を待つと決めた。
でも、その事を………蓮に言えないまま……
事実を伝えられたのが、結局今日になってしまった。
きっと、まだ相当美和の事を想ってる蓮にとっては
意味が分からないと思うのも…
…まぁ、分からないでも無い。
「じゃあ、美和は返してもらっていいんだな?」