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片想いの行方

第38章 最後に、もう一度

「…………!」




蓮は前を見たまま続ける。




「……つまり、お前と美和は付き合ってない。

美和がまた俺の所に、戻ってきてくれる可能性があるってことだ。


それならもう遠慮しなくていいよな?」






………んだと、このボケ。


そーじゃねーんだよ。




「お前は何も分かってねーな。

美和の心が……まだ不安定なんだ。

……俺らが決める話じゃねーってこと」



「それはヒメの見解だろ。

……何の為に俺が身を引いたと……」





蓮が小さく呟いた最後の言葉が聞こえなくて、俺はまた立ち上がる。


てめーは、美和の揺れてる想いを聞かなかったから、そんな無神経な事が言えるんだよ。



「……何勘違いしてるか知らねーけどな。

俺の名誉の為に弁解しとくが、俺は決して、蓮の為に美和と付き合ってないわけじゃない。

……その気になれば、美和はいつでも俺の傍に来る」




「………ははっ。

すっげー目に見えた強がりだな」





蓮も再び立ち上がって俺の方に近付いて来る。


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