片想いの行方
第38章 最後に、もう一度
▽Side... 美和
「……なにやってんの、あいつら」
屋上の手摺にもたれかかって、校庭を見下ろしていたアンナが呆れた声を出した。
「? なに?」
あたしはベンチから立ち上がり、アンナの隣りに行く。
「高校生最後の日だってのに、今時あんな取っ組み合いのケンカする奴いる?
まったく、結局仲いいんだか悪いんだか。
さっぱり分からないわ」
「……………!」
人だかりの真ん中で
砂ぼこりにまみれて、蓮くんがヒメに馬乗りして何かを叫んでいる。
ヒメも蓮くんの胸ぐらを下から掴んで、これでもかってくらい引っ張っていた。
あんな本能むき出しな感じで言い合ってる2人は、初めて見る。
……その姿は、お互いにそっくりで。
その光景を見て、あたしは思わずふっと笑ってしまった。