テキストサイズ

片想いの行方

第38章 最後に、もう一度



「ヒメ……てめーいい加減俺の真似するのやめろ。
やっと離れられると思ったのに、また一緒かよ!」


「はあ?それはこっちのセリフだ。
俺があの大学を受けた理由は、女のレベルが高いから。

蓮のことなんて微塵も考えてねーよ」




俺と蓮の言い合いに気付いて、校庭の真ん中にいた奴らがこっちを見て笑っている。


だけど、そんなのはもうどーでもよかった。




「アホか!
そんな不純な動機だから、お前は美和と付き合えねーんだよ。

やっぱりあの時手を離すんじゃなかった。
こんなバカを信じた俺が間違ってたんだ」



「なんだとこのボケ!! もう一度言ってみろ!」














「……お前らさー……」







中野が静かに口を開いた。







「……ほんと、よく似てるね」




「………………!!」




その言葉を聞いて、中野の方に振り返る。





「似てねーよ!」


「一緒にするなアホ!」





「………でも、お互いのこと、大好きじゃん」








俺と蓮は、今度は同時に叫んだ。










「「 好きじゃねーよ! こんな奴!! 」」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ