片想いの行方
第38章 最後に、もう一度
「………そっか」
あたしの顔を見て、アンナは全てを悟ったように微笑んだ。
「いいよ。
美和の決めたことなら、私は何も言わない。
大学は別々になっちゃうけど、近いんだし、この先何かあったらすぐ連絡してよね。
離れてても、私はいつでも美和の味方だし、ずっと親友だよ」
「……アンナ……」
アンナの言葉に、胸に熱い想いがこみ上がる。
目に涙が溢れたあたしを見て、アンナは声に出して笑った。
「ほらー、泣かないの!
感動してすぐに泣くところは、相変わらずなんだから」
……アンナの言う通り、あたしは泣き虫だ。
今日この日を迎えるまで、何度涙を流したんだろう。
だけど、悲しい涙だけではなくて
今この時のように、嬉しくて、感動した涙もたくさんあった。
あたしの高校生活は
優しくて、心の温かい人達に囲まれた
本当にかけがえのない時間だったんだ。
「夜7時から全体の卒業パーティーだよね?
それまで、最後に2人でお茶しない?
よく帰りに寄った、あのカフェで♡」
「…うん!」
アンナの提案に、あたしは笑顔で頷いた。