片想いの行方
第38章 最後に、もう一度
「そうなの?」
麗子さんはその場にしゃがんで、あたしと目線を合わせた。
「いや、私も優香と話して以来、その後がどうなったかは知らないんだけどね。
2人の蓮が、とても大事にしている女の子のことが、ずっと気になってた。
……きっと、いっぱい悩んでるんだろうなぁって、勝手に思ってたんだ」
「…………っ」
麗子さんの言葉に、胸がきゅうっと締めつけられる。
初めて逢ったのに、ヒメと同じその目を見ると、全然そんな気がしない。
「あんなにそっくりな2人に想われたら、誰だって迷うし悩むわよ。
揺れるのだって当然!
美和ちゃん、きっと心がキレイで嘘付けないんだね。
…でも、あんまり自分の事を責めちゃだめだよ?」
「…麗子さん………」
優しい笑顔と言葉に、あたしはまた涙が溢れてしまう。
閉じ込めてきた揺れた心を、ふわっと包んでくれるような感覚。
あたしは小さい声で、自分の想いを口にした。