片想いの行方
第38章 最後に、もう一度
「やっぱりあたし、決められないんです。
蓮くんのことも、ヒメのことも……
2人にはずっと笑っていてほしいし、傷付いてほしくない。
……キレイごとだってわかってるけど……」
「……美和………」
アンナがあたしの頭にそっと手を乗せる。
……ヒメは待っててくれるって言ったけど
あたしの心は結局揺れたまま、何も変わらなかったから。
どちらかを選ぶことは、どうしてもできなかった。
だから、どちらかに行くこともできない。
……それが、あたしの答えなんだ。
「…イイ子だなぁ♡ 美和ちゃん」
麗子さんは笑って、あたしの頬の涙を拭う。
「あ、嫌味とかじゃなくて、本当にそう思ってるんだよ?
ふふふっ♡
蓮くんとうちの弟が夢中になるわけだ」