片想いの行方
第39章 片想いの行方
「………元気だった?」
優香は俺たちと目を合わさずに、小さく言った。
「……まぁ、見ての通りだよ。
なぁ? 蓮」
「………あぁ……」
優香と会うのは、別れを告げて以来だった。
久しぶりにその姿を見て、色んな記憶が蘇ってきて
正直、何を話していいか分からない。
「……ほら、いいのよそんな会話は。
言いたい事だけ言ったら行きましょう」
ヒメの姉貴に促されて
優香は俺の目を見た。
「……蓮。 ごめんなさい。
別れる時も、何も言えなかったけど。
……心から反省したから………
ずっと、辛い思いをさせて、本当にごめんなさい……」
「……いや………」
少し涙ぐんだ優香の姿を見て
その言葉が本心からだと、すぐに分かった。
「……俺の方こそ……
優香を寂しい気持ちにさせてたこともあったから……
優香だけのせいじゃないよ」
俺がそう言うと、優香は少しだけ微笑んだ。
……そうだ……
この笑顔を見て、楽しかったことも沢山あったから
優香と付き合えた事に、もう何の後悔もない。