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片想いの行方

第39章 片想いの行方

優香は、ヒメの方に目を向ける。



「……姫宮く……」



「あー いいって俺は。

あの時に話しただろ。

もう何も言うことねーし、言われることもない」




ヒメはそう言うと、小さく笑った。




「お前のその二股のおかげで、俺は美和に出逢えたから。

むしろ感謝してるよ」



「…………!」




その言葉に、優香と俺はヒメを見る。




「……アホ。

笑えないし。

そんなブラックジョークここで言うなっつーの」



「本当のことだ」



ヒメの姉貴が呆れて言うと、ヒメはスタスタと歩きだした。





……まったく。


この自由奔放な性格がたまに羨ましくなる。




「俺も行きます。


………じゃあな、優香」




俺はふっと笑うと、ヒメの後に続いて足を進めた。

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